初受験生はすんなり身につくのに、経験者がエスキスマニュアルでつまずく理由
初受験生はすんなり身につくのに、経験者がエスキスマニュアルでつまずく理由
一級建築士設計製図試験に向けた練習では、私たちは エスキスマニュアル を使います。
このマニュアルは 「思考」 と 「作業」 の二つのパートから成り立っています。
合格するためには、この二つをきちんと分けて取り組むこと。
作業パートでは、余計なことを考えず、指示通りに行う。
思考パートでは、作業を進める事で分岐点が発生する事に気づき、それぞれの分岐点の先を読み切り、最適解に進む。
💡 思考パートの本質
思考パートは、白紙の状態で闇雲に考え込む時間ではありません。
**手順に沿って進めていく中で現れる「選択肢」**に対して、最適解を選ぶことです。
各分岐点で、進む道ごとの全体像の方向性をパターンとして覚えておく。
選んだ道の、「すぐ先」で違和感が生じれば、「ひとつ前」に戻り、別の選択肢に進む。
**こうして全体の流れをイメージしながら次の選択肢まで、作業パートに移り進めていくと**選択の迷いが減り、最適解に導かれていきます。
✅ 初受験生はすんなり身につく理由
初受験生は、指示以外のやり方を知りません。
だからこそ、迷わずマニュアル通りに進められます。
このラインより上のエリアが無料で表示されます。
その結果、作業が自然と身体に染み込み、やがては迷うことなく次の工程へと作業を進める事が出来るようになります。
本番でも、手が迷うことなくエスキスを行う事で、時間内のエスキス完成が可能となります。
⚠️ 経験者がつまずく5つの理由
マニュアルの意味を理解しきれていない
合格出来なかったという何かしらの原因を改善出来ていないのに、
「自分は」背景や狙いを理解するのが面倒で、「自分のやり方のほうが早い」と思い込み、独自に変えてしまう。
練習と本番の意識を混同
練習段階でどのような形でも完成する事が第一の学習を優先してしまい、マニュアルを疎かにして結果を優先するが、不完全で進めているため、結果が伴わないを繰り返す。
思考と作業の切り替え不足
思考における選択肢とその判断材料等が曖昧で、判断するのが苦手なまま中途半端に作業に入り、途中で再検討を繰り返したり、延々と検討だけを行い、先を見据えた動きが出来ない。
正解にたどり着けないことへの不安
「このやり方で本当に合っているのか」と疑い、途中で別の方法に差し替える。
反復不足による手順の未定着
作業中に余計な思考が入り込み、安定して進められない。
マニュアル通りに進めている“つもり”で、正しく覚えるための真剣さや努力が不足している
指示に沿って進めていても、ただなぞるだけで精度や理解を深めようとせず、習得が遅れる。
🔑 解決のヒント
思考パートは「選択肢のパターンとパターンごとの考え方」を先に、傾向と対策として覚える
作業パートは100%マニュアル通りにやる
マニュアルに於いて、何のために行うかの背景や狙いを理解してから作業練習に移る
思考と作業を完全に切り離す
反復練習で自動化を目指す
精度向上の意識を持って毎回の練習に臨む
🎯 まとめ
思考パートでは、分岐ごとの先を見通し、確実な完成の道筋を描く。
作業パートでは、余計な考えや独自アレンジを捨て、指示通りに進める。
初受験生は素直さが武器。
経験者も、これまでのやり方を一度手放せば、2週間程度でエスキスを身につけることは可能です。