一級建築士事務所プラスデザイン株式会社

N6過去問は「全部解く」より「読み比べる」

N6過去問は「全部解く」より「読み比べる」

過去問は「全部解く」より「読み比べる

——定番の考え方と、定番以外への対処法を知る

「過去問は全部解いた方がいいですか」——製図試験の対策を始めた方から、よく受ける質問です。

答えは、「解く枚数より、読み比べる質の方が大切です」。

過去問の本当の使い方を知っているかどうかで、同じ時間の学習から得られるものがまったく変わります。

Section 01

「全部解いた」のに、なぜ力がつかないのか


製図試験の課題テーマは毎年変わります。令和7年は「庁舎」、令和6年は「大学」でした。(出典:公益財団法人建築技術教育普及センター 試験結果公表資料)

テーマが変わっても、問題用紙の構成や法規の基礎的な知識など、共通して学べることはあります。ただし、機能・用途は課題ごとに大きく異なります。そのため1課題ずつ通しで解くだけでは、「その課題をこなした経験」に留まりやすく、問題用紙の構造を読み解く力は別途養う必要があります。

問題用紙の構造を読み解く力も、出題の意図を見抜く力も、
全問を解くだけでは自動的には身につきません。

必要なのは、複数年の問題文を横断して読み比べ、「毎年必ず出てくる条件」と「ある年だけ出た条件」を整理する作業です。これが「読み比べる」過去問学習の意味です。

Section 02

問題用紙には「定番」と「定番以外」がある


製図試験の問題用紙を複数年読み比べると、ある事実に気づきます。毎年ほぼ同じ表現で登場する条件と、ある年にだけ登場する条件が、明確に存在するということです。

定 番 読みながら素早く処理する条件
敷地図の上側が北方位
「防火上有効な」公園がある
接道に歩道付き道路がある
敷地は平坦・高低差なし
歩道の切り開き1か所6mまで
電気・ガス・上下水道は完備
地盤は良好・杭打ち不要
気候は温暖・積雪配慮不要
読みながら素早く「✓」をつける
VS
定番以外 サプライズ出題のサイン
北方位が上以外
防火上有効でない公園がある
全て歩道のない道路
敷地と道路に高低差がある
歩道の切り開きが「1か所のみ」
近隣建物のバルコニーへの言及
斜線勾配の数値が明示されない
地盤改良・基礎免震の指定
ラインや手書きで大きく強調してメモ

定番以外の条件は、受験生を驚かせるためのものではありません。
試験元が「この課題ではここを考慮してほしい」と込めた、設計への誘導です。

Section 03

試験当日の読み取りは、2ステップで動く


定番と定番以外を知っていると、問題用紙を前にしたときの動作が変わります。「全部をじっくり読む」のではなく、条件ごとに判断が切り替わる状態になります。

STEP 1

定番の条件を読みながら「✓」をつける

定番を素早く処理し、情報整理の時間を確保する。迷わず「✓」できる状態にしておくことが目標。これが崩れると、読み取りだけで時間を失います。

STEP 2

定番以外はラインや手書きで強調する

「これは何を誘導しているか」を問いながら、建物配置・室の位置・開口計画・構造計画に反映させる。この判断を誤ると、条件を満たしているように見えて合格に届かない計画になります。

この2ステップは、知っていれば明日から使えます。しかし「なぜその条件が定番なのか」「定番以外が何を誘導しているか」を正確に判断するには、法規・構造・設備の知識が工程ごとに紐づいていることが前提になります。

ここが学習の分岐点
定番を「知っている」と「使える」の間には
大きな溝がある
📋
知っている
一覧を覚えた状態
条件を認識できる
✍️
使える
即座に計画判断へ
本番で機能する

定番と定番以外の一覧を覚えることはできます。しかし試験本番で、問題文を読みながら即座に計画判断に結びつけるには、知識が工程ごとに接続されている必要があります。この接続を体系的に設計するのがLink & Study Methodです。

Section 04

過去問の「読み比べ」で見るべき3点


過去問を読み比べるとき、確認すべきポイントは次の3つです。詳細な学習方法は講座でお伝えしますが、まず「何を見るか」の軸を知っておいてください。

毎年登場する条件(定番)の表現を体に覚えさせる

「この表現は毎年ある」という確信が生まれたとき、試験当日に迷わず「✓」をつけられる状態になります。

定番以外がどの年にどんな形で登場したかを知る

過去に一度登場したパターンは再度出題される可能性があります。サプライズを減らす準備になります。

定番以外の条件が計画にどう影響したかを確認する

標準解答例と照らし合わせ、条件が計画判断にどうつながったかを確認する。これが知識と工程を接続する学習です。

この記事のまとめ
1
過去問は「全部解く」より複数年を「読み比べる」ことで、定番と定番以外のパターンを整理することに価値がある。
2
定番は「✓」で素早く処理し、定番以外は「計画への誘導」として強調してメモする。この2ステップが本番の基本動作になる。
3
2ステップを本番で機能させるには、法規・構造・設備の知識が工程ごとに接続されていることが前提になる。
Link & Study — 令和8年対策
定番と定番以外を、
体系的に学ぶ方法があります

一覧を覚えることと、本番で使えることは別物です。
知識を工程に接続する学習設計について、まずはLINEで無料相談を。

+ LINEで無料相談する

登録は無料です。勧誘目的の連絡は行いません。

参考・出典
公益財団法人建築技術教育普及センター 試験結果公表資料(令和6年・令和7年 設計製図の試験)
公益財団法人建築技術教育普及センター「令和8年 一級建築士試験 受験要領」(2026年3月公表)
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/
© 2026 プラスデザイン株式会社 All Rights Reserved.
本記事に掲載されているすべてのテキスト・図解・構成・レイアウトの著作権は、プラスデザイン株式会社に帰属します。
無断での転載・複製・引用・二次利用(SNS・ブログ・他媒体への掲載を含む)を固く禁じます。
error: Content is protected !!