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長期学習を選んだ一級建築士受験生へ—短期学習受験生が合流する前に―

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長期学習を選んだ一級建築士受験生へ—短期学習受験生が合流する前に―

長期学習を選んだ一級建築士受験生へ——その学び、合格に近づいていますか?
一級建築士の製図試験に向けて、長期的な学習に取り組んでいる皆さん。
数ヶ月前、「今年こそ合格する」と決意したはずの自分が、今、どんな状態にあるかを冷静に見つめたことはありますか?

毎日コツコツ取り組んでいる人もいれば、なかなかギアが入らない人もいます。
ただし、共通して言えるのは、自分の学習タイプを把握しないまま走り続けると、間違った努力に気づかず、時間だけが過ぎていくということです。

今回は、長期学習中の受験生を4つのタイプに分類し、それぞれに対して改善のためのヒントをお伝えします。
ぜひ、自分がどのタイプに当てはまるのかを確認し、次の一歩に繋げてください。

タイプ①:学習に着手できていない(約20%)
状態
 業務が忙しい、体調が優れない、計画が立てられていない……など、さまざまな「理由」が重なり、学習が止まっている。
 だが本質的には、試験に本気で向き合うことから無意識に逃げている状態でもある。

ありがちな誤解
 「落ち着いたら始めよう」
 「やる気が出てからやろう」
 このような思考は、永遠に始まらない学習の罠。

改善のヒント
 学習記録をつけるより先に、「毎日机に座る時間を固定する」ことから始める。
 まずは5分。最初の1項目だけ読む。それでもいい。完璧を目指さず、「今の自分にできる一番小さな行動」を積み重ねる。
 大切なのは、「今日の自分が何もやらなかった」という状態を減らすこと。

タイプ②:知識習得に偏る(約20%)
状態
 教材や解説動画をよく見ているが、実際の図面を描いたり、課題を時間内で取り組んだ経験は少ない。
 つまり、知識はあるが、それを使う訓練をしていない。

ありがちな誤解
 「もっと理解してから描こう」
 「描くのはもう少し知識が増えてから」

 実はこれ、インプットで安心したいだけということも多い。

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改善のヒント
 本試験は6.5時間。考える時間にも制限がある。
 だからこそ、マニュアルに沿って、無駄な思考をせずに進める訓練が必要。

 理解を深めるだけでなく、「時間内に出し切る力」を高めよう。
 週1回は、試験時間を設定し、マニュアルをもとに制限時間内で手を動かす練習を。
 使える知識は、実際に手を動かして初めて“試験で再現可能な力”になる。

タイプ③:実践練習に偏る(約20%)
状態
 毎週課題に取り組み、完成しているが、なぜか成長実感がない。
 毎回違うミスをして、修正してもまた別のミス。「実践しているのに上達しない」状態。

根本原因
 これは、「量をこなせば上達する」という大きな錯覚に陥っている状態。
 さらに言えば、マニュアル(手順や考え方)が確立されていない、もしくは内容に欠陥があることも原因。

改善のヒント
 まず、完成させるための手順や判断基準を明文化することから始めよう。
 「迷ったらこのルールに従う」といった判断軸を作ることで、毎回のミスを同じ理由で繰り返さなくなる。

 また、実践後は必ず「どこで詰まったか/何を判断できなかったか」を記録し、ミスの根本を検証する習慣を。

 実践とは、失敗を通して自分のシステムをアップデートしていくプロセス。
 “量ではなく質”が合否を分けます。

タイプ④:知識と実践の両立ができている(約40%)
状態
 計画的に知識を積み上げ、その知識を活かしてエスキス・作図の練習ができている。
 合格圏内に入りつつあり、実力も安定してきている段階。

次にすべきこと
 「なぜその判断をしたのか?」を言語化する。
 再現性の高いアウトプットにしていくことで、本試験でも落ち着いて実力を出し切れる。

強化のヒント
 週に1回は、模試形式(6.5時間・初見課題)での練習を。
 「条件が不明」「時間が足りない」など本番に起きうるプレッシャーを、事前に体験しておくことが、最後のひと押しになります。

最後に:あなたは、どのタイプでしたか?
もし自分が「①」「②」「③」に該当していたなら、
努力しているのに成果が出ない理由は、“やり方”にあると気づいてください。

努力の方向を少し変えるだけで、結果は大きく変わります。
焦らなくていい。やめなくていい。ただ、自分の学習を“見直すこと”だけは、今すぐに。

本試験まで、残り5か月を切りました。
軌道修正が早いほど、合格は近づきます。